めでたい雑用

N2さんが近くに寄って来て、笑顔で、
「実は頼みたいことがあるんだけど」
と言ってきた。即座に、僕も笑顔で、
「断ります」
と答えた。このN2さんからの頼みはいつもろくでもないので、何の頼みか聞く前に、何となく断りたかったのだ。

その頼みというのは、結婚式でのカメラマンであった。式の模様を撮影してくれというのだ。
「えー、そんな大役、僕には無理です」
と駄々をこねてカメラマンの役は何とか逃れられたが、その代わりに結婚式の受付を引き受けることになってしまった。

わかりました。喜んでやらせていただきましょう。(めいっぱい嫌がっておいて今さら遅い) 下っ端の宿命だな。

最初はスピーチを頼まれるのかと思っていたが、そんなことは有り得ないことだったようだ。というのも、
「スピーチやらせろ!」
と僕が騒いでいたことを誰かから聞いたN2さんは、
「あいつにスピーチをやらせるのは危険だ。何を言うかわからない」
と言っていたそうな。ふっふっふっ。ご明察。ばれましたか。こんなこと言ったらまずいだろうなあ、ってことを言ってみたかったんですけどね。N2さん、危機管理能力は合格です。