「インビジブル」

インビジブル」をレンタルしてきて観た。「インビジブル」とは「目に見えない」(invisible)の意味であり、この映画は見えない男、つまり透明人間の話である。(原題は"Hollow man"というらしい。「へこんだ男」って意味かと思ったら"hollow"には「中空の、中身が詰まっていない」という意味があるらしい。納得)

政府の秘密研究を行う科学者たちが動物を透明にする薬を作り、さらに元の状態に戻す薬を完成させた。そしてリーダーである天才科学者自らが人間で初めて透明になる実験台となり、透明になることに成功する。しかし再び元の姿に戻ることができず、次第に正気を失い異常な行動を取り始める。主演はケビン・ベーコンエリザベス・シュー。監督はポール・ヴァーホーベン。

もし透明人間になれたら男だったら何がしたいか。さすがヴァーホーベン、男の期待を裏切らない(なんてこと書いたら女の子に嫌われるなあ)。この映画にはそんなシーンもある。しかしこの映画は見えない敵となった透明人間との攻防に真の見所があるのだ。
(観ているうちに何だか「ザ・フライ」を思い出した。「ハエ男の恐怖」である。この映画も天才科学者が自ら実験台となり、自分の発明した装置で人間の瞬間移動を試みるのだが、その装置に一匹のハエが紛れ込んだため、ハエ男になってしまうという話だ。この映画も面白かった)

映画の中で、パソコン上でなにやら原子を数個組み合わせて、安定な分子構造を探しているシーンがあるけど、人間の体を原子レベルで組替えると透明になるってことだろうか。でもサーモセンサー(物体の温度分布が観測できる装置)を使えば、透明人間は見えるらしい。うーん、さっぱりわからん! 何でこれで透明になるんだ? SFなのだから科学的にウソがあってもいいけど、もう少しそれっぽい屁理屈こねてリアリティを高めて欲しかった。もっと巧妙に僕をだまして楽しませてくれ! でも面白かったから、評価はAとBの間。


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